個人情報保護士とは、全日本情報学習振興協会が主催する個人情報保護士認定試験に合格すると取得可能な民間資格です。
資格取得により、個人情報保護法に関する知識や個人情報保護に関する実務知識を得ることができ、個人情報保護士の名称を使用することができます。
マイナンバーなどと混同されることもあるかと思いますが、個人情報の範囲は幅広く、様々な観点から管理が必要な情報です。
個人情報の保護は事業者の義務ですが、経営層自らが管理を怠ることも多々あります。日本では法的罰則は弱いですが、マスコミなどに大々的なに報道させることも多く、社会的な制裁を受けることが多いです。また、欧州などではGDPRに代表されるように、違反すると多額の制裁金を支払わされます。
以上のような背景から、個人情報を体系的、組織的に管理することが求められるため、個人情報保護や管理に関する知識を有することが第三者的に示される個人情報保護士のニーズは今後高まって行くことが予想されます。
どんな仕事で使える資格なのか?
個人情報は人が存在すれば必ず存在する情報です。また、マイナンバーまで含めれば、総務、人事、経理、営業、販売、製造、開発、研究など、実にほぼすべての事業活動に関わっております。そのため、企業に属する人であればいずれの業務でも関わることになります。
特に個人情報管理を重要視するような業界でいえば、公務員、金融、信販、通信、情報、電気、水道、ガス、医療、法律、教育、物流、印刷、などでは、今後も益々必要性がますと思われます。
どんな試験内容なのか?
認定試験を主催する全日本情報学習振興協会のホームページによると、個人情報保護士認定試験の試験内容は、以下のように説明されております。
「課題I 個人情報保護の総論」
「課題II 個人情報保護の対策と情報セキュリティ」
詳細は、個人情報保護士になるには
大別すると、個人情報保護法の知識を問う問題、個人情報保護の実務に関する問題、マイナンバー法に関する問題となっております。
資格の難易度は?
全日本情報学習振興協会のホームページによると、過去の平均合格率は、37.3%(平均年齢37歳)、過去の平均合格率(平成25年度)は35.0%となっております。他の法律系(業務独占資格)の合格率は、弁護士で9.7%(平成28年)、司法書士で3.3%(平成28年)、行政書士で10.9%%(平成28年)、弁理士で7.2%(平成30年度)であることから、難易度は低めであると言えます。
また一般的な標準勉強期間は、司法試験・弁理士・司法書士で3000時間(1日3時間で約2.8年)、弁理士で3000時間(1日3時間で約2.8年)に対して、個人除法保護士は50時間程度と言われております。このことから、取りやすい資格であると言えます。
個人情報保護士の資格取得による費用対効果は?
ちなみに、個人情報保護士を取得による費用対効果はどうでしょうか。 まず取得にかかる費用は以下のようになります。
受験料: 1万円
参考書: 2-3千円
認定カード更新費用: 7000円(2年ごと)
合計: 2万円(2年目まで、以降2年ごとに7000円)
その効果はいかがでしょうか。
・個人情報管理業務に就ける
→月額数千円程度の資格手当の可能性
・顧客への安心感
・名刺に「個人情報保護士」記載可能
→安心感 →成約率の向上が期待 →営業成績の向上
・個人情報管理責任者や情報管理関連業務担当者への着任の可能性
→役職手当の可能性
などなど、会社や個人の業務にもよるが、少なくとも取得により一定の信用が得られる可能性が考えられます。個人情報保護士は、扱う情報がデリケートな情報であるため、今後とも、ニーズが高まりそうです。
改めて法目的を理解するには
個人情報保護法の逐条解説–個人情報保護法・行政機関個人
情報保護法・独立行政法人等個人情報保護法 第6版