個人情報保護士は優良資格?

個人情報保護士とは?
個人情報保護士は、一般財団法人 全日本情報学習振興協会が主催する「個人情報保護士認定試験」に合格した人が名乗ることができる民間資格です。今回は、この個人情報保護士の認定試験についてのコラムです。

資格の種類について

全日本情報学習振興協会は、様々な個人情報関連の資格・検定を提案しております。

  • 個人情報保護士
  • 個人情報保護実務検定
  • マイナンバー保護士
  • マイナンバー実務検定

個人情報保護士には、上級個人情報保護士という上位資格も設定されており、法的部分が強化された、より実践力のある資格も用意されております。

試験勉強用のテキストについて
資格試験というと、参考書、過去問題集、対策問題集など様々なものに手を出しがちですが、この資格については、多くの参考書をそろえるよりも、一つまたは二つの公認テキストを何度も繰り返し行う方が資格取得の近道になるかと思います。というのは、法的理解もある程度出ますが、個人情報保護法は、覚えるべき条文数も他の資格と比べて圧倒的に少なく、むしろ実務知識の理解に重点をおいたほうが資格取得後もより「使える資格」としての勉強になる為です。 資格試験主催の全日本情報学習振興協会でも公認テキストとして紹介されている内容で、類似問題が出題されやすく、資格取得後も使える内容となっております。

試験内容と合格の効果
この資格は、個人情報保護法についての知識を問うだけでなく、実際の組織内でどのように個人情報を保護・利用したらいいのかを問う内容にもなっています。
そのため、この試験に合格するための勉強をすることにより、個人情報保護法の内容だけでなく、より具体的な、組織内での情報管理方法や体制の作り方、その後の運営方法などが身につきます。

資格取得の効果
普通は、民間資格などは、取得してもあまり評価されず、自己啓発でしょ?とバカにされることも多いのが実情です。また、国家資格でもないので、資格取得しても仕事が増えるわけでもありません。
効果はどんなものなんだろうと思い、名刺に資格名を表示してみました。すると、企業勤めのお客さんだと、「こんな資格あるんだねー」、個人で行っている人(例えばFPさんや行政書士さん)は、「それは知らなかった、是非私も取得したい。取得するのは大変なの」と、割と真逆な対応をされます。
企業の営業の方は、自分の会社の情報漏洩対策なんか知らないですよね。というか興味ないかと思います。上場企業なら、会社が勝手に対策しますからね。一方。個人の方は本当に前向きでした。よく考えれば、当然ですよね。例えば、前述の行政書士さん、法律上個人情報の保護義務はありますが、義務があるのと、実際に漏洩しないための保護管理技術や知識があるのとは全然違います。
その点、この資格は知名度も低いし、自己啓発ととらえられがちですが、確実に情報管理の基本知識は身につきます。その点、士業のかたは、本業の資格とダブルライセンスで表記する方もいるみたいです。そういう意味では、あって損はしない資格かと思います。

試験内容と基本対策
法改正により毎年変更がありますが、基本的には、OECDガイドライン、個人情報保護法、管理体制、物理的・電子的情報管理、マイナンバー法が押さえておくポイントになると思います。

資格取得後の状況
まず、合格証書が届きます。そして、申請すればカードにしてもらえます。また、名刺などに「個人情報保護士」が名乗れるようになります。感想ですが、まぁそんなにメリットはありません。会社にもよると思いますが、手当が増えることもありません(最近は、資格手当を出す企業も増えてきているようです→「個人情報保護士のメリットと資格手当」)。

個人情報保護士のカードは以下のようなものです。名称独占資格や業務独占資格でないのは残念ですが、多少なりとも試験勉強をし、そのことが形に残ることは、個人的にうれしいものです。仕事の種類によっては、このカードを顧客に明示しながら安心感を与え業務を行っているかたもいらっしゃるようなので、やはり資格取得が形になっているのはいいと思います。

個人情報保護士のカードは以下のようなものです。名称独占資格や業務独占資格でないのは残念ですが、多少なりとも試験勉強をし、そのことが形に残ることは、個人的にうれしいものです。仕事の種類によっては、このカードを顧客に明示しながら安心感を与え業務を行っているかたもいらっしゃるようなので、やはり資格取得が形になっているのはいいと思います。

個人情報保護士 認定証
個人情報保護士 認定証

また、会員特典として上記写真認定証右下のロゴがダウンロードできるようです。こちらは、名刺やホームページへの掲載などが可能となります。

次に、上級資格や関連資格などの案内や、個人情報保護士会などの入会案内やメルマガが数ヶ月おきに届きます。資格ビジネスの基本ですので放っておけばとくに害はありません。


最後に有効期間と更新です。資格取得後、二年間が有効期間となります。合格実績は消えませんが、名称を使い続けるなら、更新が必要です。この際、更新の為の講義&試験か、web試験に合格しないと更新できません。更新料も必要になります。

といった形で、2年おきに最低限のお金がかかりますが、実務知識が身につくので、士業の方や、会社役員の方、企業で情報管理の担当をされているかた、将来独立希望されているかたなど、個人に、信用をつけたい方にはあった方がいい資格といえます。